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甘えた
第14章 長い一日
っ!見られた…

「もいひい」

「ソファーに来て」

「まだ髪乾かしてないでしょ!」

叱言を言い洗面所に戻らせた。おかゆの入った茶碗を冷蔵庫にしまい、莉壱の後を追いかける。
あたしだって莉壱に触りたい。キスがしたい。

鏡に向かって髪を乾かしている莉壱の手からドライヤーを奪い、

「後ろ、乾かしてあげる」

手櫛でガシガシと解しながら熱風を当てる。あっという間にさらさらに戻ったその髪に、こっそりと口づける。
スイッチをオフにしたドライヤーを洗面台の上に置くと、莉壱の腰にそっと手を伸ばす。

「キスしていい?」

そう問いかけて莉壱の体をこちらに向け引き寄せる。

莉壱は黙ってあたしの唇に唇を重ねた。本当に本当の気持ちが通じ合ってからの初めてのキス。
柔らかな唇に食まれ蕩けそう…
全身が粟立って脱力していく。

背中に廻された莉壱の腕にしっかりと抱き留められ、夢中で莉壱の唇にしがみついた。
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