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暁の星と月
第3章 暁の天の河
「春馬さん…」
堪らずに口を開く暁の髪を優しく撫でる。
「…冗談だよ。…そんなことしやしない…安心して…」
「春馬さん…」
「僕は君を幸せにしたいんだ。君は縣家の御曹司だ。このまま、誰もが憧れる美しく理知的で気高い貴公子として成長し続けて、社交界の華になるんだ。
…それが礼也の願いであり…僕の願いでもある。…だから君を連れ去るようなことをするわけがない…」
…出来るわけがない…と小さく付け加えた。

大紋の切ないまでの暁に対する愛情を感じて、堪らずに抱きつく。
「…僕たちは…これからどうなるんですか…」
…同性同士で、兄が親友で…許されることのない関係…
暁の胸が不安に締め付けられる。
暁の小さな…しかし悲痛な叫びを丸ごと受け止め、強く抱きしめる。
「心配しないで。…君を苦しめるような真似はしないよ。…けれど、僕は君のこの手を放さない。…何があっても絶対に…」
暁の白く美しい手を取り、くちづける。
「放さないで…絶対に…」
暁はその手を強く握り返す。
射干玉の闇のような潤んだ瞳が大紋を捉える。
今まで、どちらかというと大紋の愛に対して受け身だった暁の思わぬ言葉に、大紋は驚く。
「…暁…」
「…僕はきっと、貴方が思うよりずっと貴方が好きなんです…。この夏が過ぎて…貴方になかなか会えなくなるのを貴方以上に恐れているんです…」
…分かりにくいかも知れないけれど…と俯いて呟く暁に愛しさが溢れ出し、息ができないほどに抱きしめる。
「嬉しいよ。そんなに思ってくれているとは知らなかった…」
「…やっぱりね」
拗ねる暁を尚もぎゅうっと抱きしめる。
「…苦しいですよ」
「ごめんね、嬉しくて」
二人は顔を見合わせて笑う。

大紋は暁の肩を抱き、空を見上げる。
「今夜はこのまま、ここで暁の天の河を見よう」
「…暁の天の河?」
「そう。…小さな頃にここでよく見た。…軽井沢は標高が高いから空気が澄んでいて、明け方の天の河もよく見えるんだ。…今にも夜明けの空に消え入りそうな…でも消えない儚い天の河…本当に綺麗なんだ…」
…君みたいにね…と少しも照れずに暁を見つめる。
暁は大紋の肩に頭を預ける。
「…いいですよ…貴方となら…」
大紋は黙って暁の髪にキスをする。

…未来のことなど誰にも分からない
ただ…今は幸せだ。だから、それでいい…
暁は心の中で呟くと、まだ見ぬ暁の天の河を振り仰ぐ。




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