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暁の星と月
第2章 新たな扉
翌日から暁は礼也の指示により選りすぐりの家庭教師が付けられ、小学生、中学生の各教科の学習を始めた。
「学校に編入する前にまずは年相応の学業を身につけておかなくてはな。編入試験もあるが…暁が今まで学校に通っていないことで級友に苛められたら可哀想だ」
礼也は思いの外、心配性らしい。
暁は嬉しくて笑ってしまう。
「…?なにが可笑しい?」
「…兄さんが心配するから…。大丈夫ですよ。僕は苛めくらいじゃへこたれませんから」
礼也は苦笑しながらも、暁が可愛くて仕方ないように頭をくしゃくしゃに撫でる。
「暁は偉いな」
礼也に触れられ、褒められると天国にいるみたいにふわふわと幸せな気持ちになる。
…僕はこんなに幸せでいいのかな。
毎日勉強出来て、広くて豪奢な…まるで宮殿みたいなお屋敷に住めて、今まで見たことがなかったようなご馳走を食べられて、ふかふかの綺麗なベッドで寝られて、新品の高価な洋服を毎日着られる…。
そして、何より優しくて美しくて頼りになる兄と暮らせる…。
幸せすぎて怖いという感情を生まれて初めて味わう暁であった。
それを遠慮勝ちに言葉に出すと、礼也は優しく暁を抱きしめた。
「…お前は幸せになっていいのだ。今までの分を取り戻すように、たくさん幸せにならなくてはならない」
「…兄さん…」
暁はぎゅっと礼也の上質なシャツを握りしめる。
…兄さんはいつも良い匂いがする…。
この匂いを、あの薔薇のひとは知っているのかな…。
ふと、生田に聞いた礼也が後見人をしているというまだ見たこともない深窓の令嬢が思い浮かんだ。
暁の胸の奥はちくりと鋭く痛む。
そんな自分が嫌で、暁は考えを振り払うように礼也に強くしがみついた。
「…暁は意外に甘えん坊だな」
礼也は笑いながら暁を抱き締め返してくれた。
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