この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
暁の星と月
第2章 新たな扉
暁が礼也に引き取られ、松濤の屋敷で暮らすようになって一ヶ月が過ぎた。
その日の夕方も、暁は家庭教師が帰ったあとに一人図書室でその日の学習のおさらいをしていた。
広く静かで多数の蔵書に囲まれた図書室は、広大な屋敷の中でも暁にとって一番落ち着く場所だった。

勉強は楽しくて仕方なかった。
知らなかったことを次々と知ることが出来るよろこびは、計り知れなかった。
暁が毎晩遅くまで勉強をするので、身体を心配した礼也に止められるほどだった。

暁がその日学んだ英語を読み返していると、廊下から賑やかな声が聞こえ、ドアがノックされる。
「やはりまた勉強をしていたのか」
笑顔を覗かせたのは礼也だった。
暁は驚いて立ち上がる。
「兄さん!ごめんなさい、出迎えもしなくて…」
「いや、いいんだ。今日は急に早く帰って来たから。
…それに…来客を連れてきたよ、暁」
礼也の背後から、一人の若い紳士が黒いソフト帽を脱ぎながら、現れた。
「大学の友人の大紋春馬だ。…春馬、弟の暁だ」
礼也に紹介され大紋は部屋に入り、暁と対面する。
暁の顔を見た瞬間、大紋の顔に驚きが走り、暫く言葉を失った。
礼也は察して朗らかに笑いながら大紋の肩を叩く。
「おいおい、暁が余りに美少年で見惚れたか?」
「…あ、ああ…。これは失礼。…本当に…礼也から聞いてはいたが、実に綺麗な弟さんだね」
ようやく我に帰り、大紋は明るく暁に手を差し伸べる。
「大紋春馬です。礼也とは大学の馬術部で一緒だったんだ。職業は駆け出しの弁護士だ。よろしくね、暁くん」
暁は慌てて、少し恥じらいながら差し出された手を握り返す。
「…初めまして。暁です。…よろしくお願いします」
暖かく大きな手だった。
大紋は礼也と同じくらいに背が高く、堂々とした体躯をしていて、顔立ちも理知的で端正に整っていた。
…やっぱり、上流階級の人はみんな兄さんみたいに美しいのかな…。
暁は感心しながら大紋を見つめた。
礼也が暁の髪を撫でながら愛しげに自慢をする。
「可愛いだろう?しかも暁は頭もいいんだ。家庭教師について一ヶ月勉強しただけで、ほぼ中学の学習範囲は理解したらしい。教師達も舌を巻いていたよ」
「それはすごいな!さすがは礼也の弟だね。血は争えないな」
暁は大紋の温かい言葉を嬉しく思いながらも、恥ずかしさから返事が出来ずに俯いた。
/479ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ