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暁の星と月
第2章 新たな扉
大紋の優しい眼差しを感じながら、暁はおずおずと口を開く。
「…まだまだ勉強不足なことばかりです。…特に英語は…初めて習うので少し苦手なんです…」
すると、大紋が何かを思いついたように明るく口を開いた。
「それなら、僕が英語を教えようか?」
暁は驚いて顔を上げた。
「…え?」
「僕は大学を卒業した後、2年間オックスフォードの大学院に法科留学していたんだ。だから英語は割と自信があるよ。仕事が終わったあとで良かったら…」
礼也がすぐ様に頷く。
「春馬の都合が付くなら、そうして貰えたら嬉しいよ。暁に綺麗なキングスイングリッシュを教えて貰えるし…。何より、私の友人なら暁も気を使わないだろう。
春馬なら安心だ。何しろ腕利きの敏腕弁護士だからな」
大紋は苦笑いしつつも余裕がある仕草で、礼也の背中を叩く。
「よせよ。今は親父の法律事務所の居候弁護士…イソ弁さ。礼也の好意で縣財閥の顧問弁護士にさせてもらえてなんとか食べていける」
もちろんそんなことは冗談だろう。
大紋の礼也並みに高級仕立てのスーツや靴を見れば、如何に経済的に豊かであるかが手を取るように判る。
…弁護士さんで、外国の大学院に留学していて…
…兄さんの友達はやっぱり凄い人ばかりなんだな。
暁は感心する。
「…で、でも…僕のためにわざわざお仕事の後に来ていただくなんて…」
そんな偉い弁護士さんに家庭教師紛いなことをお願いして良いのだろうか。
「全然構わないよ。…いつも仕事が終わると、礼也とバーで飲むか、たまに夜会に顔を出すだけなんだから…」
礼也は悪戯っぽくウィンクする。
「春馬はハンサムだし、性格もいいし、頭もいいし、家柄もいいのになぜかまだ独り身なんだよなあ。いつも私を飲みに誘いに来るもんなあ」
「それはお前もそうだろう?…まあ、お前には白薔薇姫がいるからな」
礼也は苦笑しながら、大紋の鳩尾に拳を入れる真似をする。
「暁の前で余計なことを言うな」
…白薔薇姫…。
やはり兄さんには素敵な人がいるんだ…。
暁の心が少し沈み込む。
そんな暁を遠慮していると思ったのか、大紋が優しく顔を覗き込む。
「だから気にせず、一緒に英語を勉強しよう。暁くんには英語を好きになってもらいたいな」
…優しい人だな…。
暁は沈んだ心がふっと明るくなるのを感じ、はにかみながら頭を下げた。
「…はい。…あの…ではよろしくお願いします…」



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