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暁の星と月
第8章 月光小夜曲
風間は客室階に上がるエレベーターの重厚な扉が閉じるや否や、暁を引き寄せて唇を奪った。
「…んっ…ああ…は…あ…っ…」
…久しぶりの男とのくちづけに思わず暁の唇から吐息が漏れる。
風間は優しく、しかし優雅な強引さで、暁の口内に侵入する。
風間の舌が、暁の柔らかな口内を食べ尽くす勢いで弄り、舌を絡め、愛撫を繰り返す。
「…んんっ…や…っ…ああ…ん…」
「…感じやすいね…」
風間が暁の朱に染まった可憐な耳朶を噛みながら、囁く。
「…ああ…っ…ん…!…」
「…可愛いね…暁…。君はこんな風に啼くんだね…」
暁の小さな貌を持ち上げ、頬や額にキスを繰り返す。
「…からかわないで…ください…」
涙ぐんだ暁の眼差しが風間を見上げる。
瞳の奥の淫蕩な色に風間の内なる欲望が一気に昂った。
風間は暁の華奢な身体をエレベーターの壁に押し付け、両手で貌を包み込むと、更に蹂躙するように唇を貪る。
「…あ…んんっ…はあ…っ…」
暁の唇から甘い溜息が漏れる。
暁の薄いひんやりした舌が風間の舌に絡みつく。
風間に任せているようで、しなやかにリードするくちづけ…。
その舌技の巧みさに、風間はこの青年の秘められた好色さを知る。
「…キス、上手いね…」
暁が恥ずかしそうに眼を瞬かせる。
「…なんだか…妬ける…!」
噛み付くようにくちづけを繰り返す。
角度を変えて何度も貪る。
傷つきやすい花のような唇を咥えると、歯で噛んだ。
「…んんっ…!…痛…っ…」
さすがに暁も細い悲鳴を上げた時、エレベーターの重々しい扉がゆっくりと開いた。
風間は唇を離すと、その日本人離れした彫りの深い美貌に薄く笑みを浮かべ、引きずるように暁を廊下へと連れ出した。



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