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暁の星と月
第12章 堕天使の涙
月城は朝靄の中、駆け出すように遠ざかる暁の後ろ姿を見ながら、追いかけたい衝動と必死で戦っていた。

…恋人にしてはくれないのか…?
暁の心の叫びは伝わっていた。

出来るものならそうしたい…!
月城は拳を握り締める。
あの美しくも傷つきやすく儚げな青年の恋人となって、彼と共にいたい。
彼を護りたい。
…いや、彼の全てを自分のものにしたい…!

だができない。
できないのに、彼に告白する訳にはいかない。
自分はまた、愛する人を苦しめてしまうのか…。

月城は苦渋の表情を浮かべながら、いつまでも去りゆく暁の姿を見つめていた。
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