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暁の星と月
第12章 堕天使の涙
光の言葉は温かい白湯のように、暁の胸に沁み入る。
…光さんを突き落とさなくて、良かった…。
光さんが無事で良かった…。
光さんの赤ちゃんが無事で良かった…。
暁は初めて光の存在をかけがえがないと思った。
暁は潤んだ黒い瞳で、光に笑いかけた。
それは初めて心の奥底から出た笑みであった。
「…義姉さんが…兄さんのお嫁さんで良かったです…」
光が驚いたように、その大きな瞳を見開いた。
そして、泣き笑いのような表情をすると暁をまるで本当の姉のように慈しみ深く抱きしめた。
「…ありがとう、暁さん…」
光の身体は温かかった。この身体の中に兄との愛の結晶が育まれているのかと思うと、暁は不思議な感動に包まれた。
「…僕は叔父さんになるんですね」
光のまださほど目立たない腹部を眩しそうに見つめる。
光はお腹を優しくさすりながら、悪戯っぽく囁いた。
「…叔父ちゃまって呼ばせてもいい?」
「…仕方ないですよね、本当に叔父さんなんですから…」
二人は一緒に吹き出すと、まるで仲の良い本当の姉弟のように笑い転げたのだった。
…光さんを突き落とさなくて、良かった…。
光さんが無事で良かった…。
光さんの赤ちゃんが無事で良かった…。
暁は初めて光の存在をかけがえがないと思った。
暁は潤んだ黒い瞳で、光に笑いかけた。
それは初めて心の奥底から出た笑みであった。
「…義姉さんが…兄さんのお嫁さんで良かったです…」
光が驚いたように、その大きな瞳を見開いた。
そして、泣き笑いのような表情をすると暁をまるで本当の姉のように慈しみ深く抱きしめた。
「…ありがとう、暁さん…」
光の身体は温かかった。この身体の中に兄との愛の結晶が育まれているのかと思うと、暁は不思議な感動に包まれた。
「…僕は叔父さんになるんですね」
光のまださほど目立たない腹部を眩しそうに見つめる。
光はお腹を優しくさすりながら、悪戯っぽく囁いた。
「…叔父ちゃまって呼ばせてもいい?」
「…仕方ないですよね、本当に叔父さんなんですから…」
二人は一緒に吹き出すと、まるで仲の良い本当の姉弟のように笑い転げたのだった。