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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠

だから私は警戒する。
ヂャン・ミングイまでもが不自然に消え、残るはイン・ウードゥとワン・レンの二人きり。
少々違和感を感じるんです、何故この二人だけが無事に残っているのかが。

(消去法で考えれば、二人はツインドラゴンに都合のよい餌という結論に行き着いてしまいます。
どちらにも入れ、どちらでもない者達。
だからこそCross selsもツインドラゴンも泳がせているんでしょう、後々使えるかも知れない駒としてですがね)

それが美波を連れ出す罠だとしたら?
こうした考えになるからこそ、私は美波を接触させたくないんです。
度量が狭くて結構、盟主の責務も関係ない、美波を護るが私の行動理由。

「引き続き調べますか?」
「そうですね。
特にヂャン・ミングイが今何処に居るかでしょう、美波も会いたがっていましたので」
「ミン・ロンチャンは如何します?」
「どうしましょうか。
本拠地が香港島という話もありますし、私が動けば行動に出るとも思います。
言わば捨て置いて構いませんよ」
「警戒だけは……。
後は仁科様にお任せ致します」

日本での擦れ違いはともかく、こんな時のルークは命令を忠実に守るでしょう。
私がこれ以上言わなくとも、自己の判断で手勢を回す筈。
此には一切心配はしていませんね。

「……という話の間に時間ですか。予定外に美波はCLUB内待機ですし、たまには調教師でもやりますかルーク?」
「……勘弁して下さい。
自分は裏方ですので、香港で調教師をやるつもりはありません」
「相変わらず冗談が効きませんね全く」

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