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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠

男調教者が急に堕ちたので、補充が中々出来ない男調教ショーは今日は休止になり、美波を一人にしたくなくCLUBに留め置いてしまったのは私。

もし出てもミングイとは会えなかったんです、安全も兼ねてこの場所に居てくれる方が安心出来ます。
……ただし、美波が大人しくしてくれればの話ですけど。

「私はショーの下準備に行きます。此から先はルークに任せます、良いですね?」
「……はい」

軽く礼の姿勢を取るルークを無視し、私は個室から出て舞台裏へと向かう。
あくまでもコンラート・ゼクス、金の調教師として動けば目は私に向く、それが私の狙い。

(美波は当たり前ですが、本郷さんも宮野にも辛い思いはして欲しくはないんです。
私も欲張りになりましたね、元凶は私だというのにそう願うとは)

最低限の調教資料を見ながら私が考えるのは、私のせいで全員を巻き込んでしまったという罪悪感。
そんな言葉すら考えた事など無かった私ですが、今回ばかりは引け目を感じているんですよ。

(偶然なのか必然なのか、過去に私がやった事のツケが今とは……。
なんの因果でしょう、因果応報……私にも言える言葉です)

過去を消すなど出来る筈もなく、散々人間を弄んだ因果が、大切なものが出来てしまった今になって回って来るのは、私の傲慢が招いた結果くらい感じています。

(私では……。
美波でなければ駄目なんです)

主催が居ない今を未来に渡せるのは……私ではなく美波。
負担になると理解していても、全てを良き方向に向かわせる為に、私は敢えて悪役を演じましょう。
それが私の役割なんです。

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