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第29章 歓喜の一夜

「……あ……はぁ……」
「やはり良いな、美波とのキスは……」
「もっと、もっと私を奪って霧斗」
「……ああ……」

躰が霧斗とのキスに反応してる。私がその気にならなければ、反応が薄い私の躰なのに、キスだけで凄く感じるの。私の中に眠るヤらしい私が目覚める、Ｍ属性に調教された躰が解放される。

「ンッ、クチュ……」
「はぁ……俺より激しいな」
「私を責めて下さい霧斗。
あの頃のように、私に苦痛と快楽を下さい」
「もう調教者じゃないんだ、苦痛は勘弁してくれ。だが快楽はくれてやる、俺が勃たなくても、美波には数多の快楽をやるさ」
「…………きゃっ！？」
「風呂の中はバランスが悪い」

また私は霧斗に抱き上げられ、ベッドルームへと連れて行かれる。広いベッドに下ろされ、霧斗は私の首筋にキスをしてくるの。

「……痕付けて大丈夫だよ？」
「明日騒ぎになるだろうが」
「それまでには消えていると思う」
「便利になったもんだ」
「……アッ……」

首筋にチクッとした痛み、それも何度も。霧斗が吸い付いて痕を付けているのが分かる。もっと……沢山付けて？　私は構わないから。

「アッ……アッ……アッ……」
「白い肌に付く朱色の痣。躰中に付けたくなる」
「それでも良い」
「…………美波」
「？？」

急に顔を上げて私を見る霧斗。私……なにかした？

「……なんだ、俺の心の問題か？　銀髪に翡翠の瞳に違和感があるんだ」
「……あっ！」