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第29章 歓喜の一夜

「本郷さんも更に逞しくなったし、宮野さんは凄くコンピュータ関係に詳しくなった。私も沢山頑張って力の制御方を覚えて、仁科さんは裏で色々と手を回している。この１年と少しの間に、みんな努力してた。思いは１つ……みんなで日本に戻りたい。その思いは今も消えないの」
「日本……か。俺に東条、どちらも居なくなれば、かなりやりにくいだろうな」
「……うん。少しずつ進めてはいるけれど苦労はしてる。日本では繋がりが少ないのを、１つ１つ増やしている最中」
「上杉を潰して周防を敵に回したんだ、そう簡単には上手くいかないだろう」
「あ、それは……。今は磐田さんが纏めてくれていてね……」
「磐田！？」

それは驚くと、私でも思う。凄く意外だよね。

「磐田さんが周防老に繋いでくれで、ちょっと揉めたけど全面的に協力してくれると約束してくれたの。
ついでに、私はたまに遊びに来いなんて言われているけれど……」
「随分な事になっているな。あの周防を頷かせるとは……。俺でさえ骨が折れた、そう微かに記憶があるぞ」
「えーと、お互い知らん振りを通すで納得したけどね、周防老って私の本当の祖父だったのよ。私も今更祖父だと言われても受け入れられないし、向こうはどう思っているのかな？」
「…………」
「？？
……霧斗？」

呆れ顔？　そんな顔で私を見てる。気持ちは分かるよ気持ちは、いきなり周防老とこんな関係になっていれば、誰だって呆れるとは思うから痛い。