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契約的束縛・誘惑なる秘密
第30章 香港―明かされる秘密と選択

◇◇◇
仮眷属と言われても、俺的には何も変わった感じは受けず。だけど美波の例もある、多少は変わった……俺にすればその程度。
……これが甘く見ていたと、後々知る事になるんだが……。

「主宰の方はこれで良いですか? 次は捕まえているワン・レンの事、話は本人の前でしますが、決していい結果ではないんです」
「そっちも何かあったのか」
「えぇ……。一番は深追い出来なかった、ですかね。
ヂャン・ミングイが居ましたから、自然の力を使うのは避けましたので」

という事はあれか? 純粋に格闘勝負。怪力と呼ばれるカイザーと、確かこの見た目で格闘は得意の仁科。全くとんでもない事になっていたもんだ。

「仁科の能力は図り知れん、いや今は美波もだな。
廃劇場が人間ごと木っ端微塵だ、警察でもあれを見て美波には結び付かないだろうな」
「……ちょっと手加減なく……最後に火を点けたから、かなり分かりにくくなっているとは思う」
「美波の怒りは、私でも手に負えませんからね。勿論ルークでは簡単に吹っ飛ばされます」

仁科でも手に負えず、更にルークでは簡単にやられるだと? という事は俺でも無理だろうが。
随分と逞しくなったもんだな美波は……。

「それで、ワン・レンを拘束している場所は?」
「この家の一番玄関寄りの部屋になります」
「レンの奴、本当に大人しく捕まっていたのか」
「……みたい」

全員レンが捕まる部屋を見るが、物音1つしない。
昨日あれだけ荒れていたレンだというのに、今日はどういう心境の変化だ?

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