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華の王妃
第2章 離宮の妃

リンダリアの故国バイエルは小国ながらも歴史が古く
男女問わず美貌の家系で有名な王家だった。

特にこれといった特色もない緑豊かな田舎の国が今日まで生き延びてきたのは
ひとえに美しく生まれてきた王女や王子のおかげとも言っても良い。


大国の王妃や側室、女王の王配などに望まれ後ろ盾を得てきた。
西の大国の王太子がバイエルの美しい女王に恋しその地位を捨て王配に
なったのは二代前のことか。


吟遊詩人にも謳われた王冠を捨てた恋は有名でリンダリアは祖母にもあたる
この女王によく似ていた為、幼い頃より王配である祖父に可愛がられた。


「あの祭りで花の巫女を務めたそなたはまことに愛らしかったぞ。」


当時12歳だったリンダリアは王家の姫が未婚のとき一度は回ってくる
バイエルの花の祭りで巫女を務めた。


その祭りには大国の王や王子、アトラスも招かれていて一目で美しく愛らしい
王女に激しい恋慕と情欲に掻き立てられた。




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