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華の王妃
第3章 恋する人

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 ひんやりとした感触で夢から覚めた。


開けたくないと思いながらも内部まで浸食してゆくような感覚のせいで
否応なく目が覚めてゆく。


足元には医師ユリウスの姿あり、見慣れた光景が映る。


裸体のまま膝を立てられたままの淫らな姿をユリウスに晒している。


始めは恥ずかしく死にたくなるようなこの行為も王にされることを思えば
大したことはない。


そう彼の行為は医療行為。
リンダリアの中を清めてくれているのだから。


「おや、お目覚めですか?」


女性のような中世的なユリウスの容姿もリンダリアに安心感を与えている。
そして彼が宦官だという事実も。


遠い東の和国の出身だというユリウスはいつも長い衣を纏い女性のように腰まで
長く髪を伸ばしている。物腰は柔らかく線も細い。


そしていつも泣いてばかりいたリンダリアの唯一の理解者だった。

和子のことを思い出しては涙ぐむ癖が抜けないリンダリアを咎めず
ただ黙ってそっとその手に包みこんでくれるのだ。


「中にいつものお薬を塗っておきました。安静にしていれば立ちどころに治ります故
ご安心ください。」

優しく囁きながら新しい衣を着せてくれる。


「王には私からよく言って聞かせました故、二度とこのようなことはございませぬ。」


「でも・・治ればまた・・  」


「それは仕方ありません。」


貴方様はもはやあの方の妃なのですから。












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