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華の王妃
第3章 恋する人

毎夜のように深く愛された日々は夢のような蜜月だった。
衰えを知らない王の愛情はリンダリアに愛の喜びを教えてくれた。


明け方まで続く愛の行為は起きれない朝を作り寝台の住人と化してしまう。
朝の政務へと向かう王は無理してでも起きようとするリンダリアを寝台に
押しとどめ構わず眠れと言う。


でないと夜が持たないからと。


「そなたの仕事は私に愛されることだ。政務など私と重臣がおる。」


重要な儀式や催し以外はゆったりと過ごし私を待てばよいと。


「駄目な王妃だわ。」


母王妃は父王を助け貴族との謁見や孤児院などを訪問していたのに。


「大国の王妃となられたのです。まずはお世継ぎを挙げられるのが先決でございますわ。」


肢体中に散らばるうっ血の跡を見て女官たちが惚けるような顔をする。

王妃は華奢で体力もあまりない。
日夜繰り広げられる王との行為はきちんと休息を取らなければ肢体を壊してしまう。


側室の一人でもいれば王妃の疲労も軽減されるのだろうが。
このように美しく愛らしい王妃がいれば他の女に食指が動くはずがない。
名のある大国の王族が王妃にと願った王妃は本当に輝くように清らかで美しかった。


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