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サイレントエモーショナルサマー
第31章 istinto
抱擁をゆるめて、頬へのキス。口を尖らせ見つめればちゅっと唇にもキスをくれる。体勢を変え、ぎゅっと彼の首に抱き着いた。気持ちがほっとする。身体も、心もじんわりとあたたかな熱に満ちていた。
「腰、揺れてますよ。もっとしたいの?」
耳元で悪魔の囁き。ぬるりと中へ入り込んできた舌が私を煽る。逃れるように小さくかぶりを振って、藤くんの柔らかな頬へ自分の頬を摺り寄せる。
「したいけど、ダメ」
「どうして?」
「明日花火だもん」
「待ち合わせ15時ですよね。もう1回しても充分寝る時間ありますよ」
俺はもう1回じゃ足りない、と背中をつつっと撫でるのは辞めて欲しい。
「ち、チカのとこ帰らなきゃ…」
「俺が明日…ってか今日か。一緒にごめんなさいするんで。ね、もっとして前みたいにくっついて寝ましょ」
「……くそう…誘惑が甘すぎる…」
日付など疾うに変わっていた。また始まってしまえば明け方まで眠りにつくことはないだろう。藤くんの目を見たらダメだ。あれに見つめられると弱い。絶対離れてやるもんかとしがみつく。
「んっ…あっ、」
「ほら、まだ溢れてくる…ね、志保さん。俺、もっと繋がってたい」
背中を撫でていた手が滑り、尻の割れ目に触れたかと思うと、ぐちゅりと長い指を膣内に挿し込む。スポットを狙って擦り上げられ、首に回していた腕の力が緩む。
「んんっ…はっ…だ、め…そこ…」
「気持ち良いの?」
「…んっ…きもち…あっ、」
ずるずると身体が滑りそうになるのを空いた藤くんの腕が支えてくれた。くちゅくちゅと湿った音。かり、といいところをひっかかれ、身体が大きく跳ねた。
「……もう1回して」
「1回で済まなかったらごめんなさい」
「…ちゃんと起こしてね」
「目覚めのキスは任せてください」
「…普通に起こして」
「それはその時になってみないと」
キスと共にベッドへ押し倒される。もっと、とねだって毒を貰って。潤いを失わない膣に藤くんのモノが戻ってくる。外が薄らと明るくなり始めるまで触れあった。汗だくになったからとふたりでじゃれ合いながらシャワーを浴びて、もう離したくないと私を抱き締める藤くんの腕の中でゆっくりと眠りについた。