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サイレントエモーショナルサマー
第35章 astuto
藤くん、と彼を呼べば唇同士が触れあった。お互い貪るように食み合って、舌がちゅくちゅくと音を立てる。うっとりと息を漏らすと浅いところを弄んでいた指が2本に増え、もっと深くへ挿し込まれた。
「んあっ…あっ、もっと、」
ゆるやかな刺激でも体液が次から次へ溢れ出してくるのが分かる。藤くんの親指はそれを絡め取ってクリトリスにそのぬめりを擦りつけた。ぎゅ、と押して、やわく擦る。ぷるぷると震える内腿。シーツを蹴る足の指はぴりりと痺れを覚えている。
じっとりと汗が滲み始めた素肌に縋りついて、快感をねだる。淫靡な音を大きくして中を蹂躙する指はいいところを執拗に攻め立てた。
押される度にびくびくと身体を震わせると、藤くんはしつこく、かわいい、と囁いて頬や耳にキスをする。
耳の付け根に強く吸いついて、甘い声を漏らす。その声をもっともっと引き出すように中の指とクリトリスに触れる親指がいやらしく動いた。
「あっ…藤くん…そこ、だめ…っ…」
「だめじゃないでしょ。きゅうって吸い付いてくるのに」
「だって…、あっ、」
だめじゃない。だけど、だめ、しか出てこない。とっくに頭はぼんやりしていて、気持ち良い以外なにも考えられなくなってしまった。
「やだ…まって、ほんと、そこばっかり…っ…あンっ」
「気持ち良いとこ、ここでしょ」
「そ、だけど…んんっ…」
「こっち見て。俺にキスをください」
首を伸ばして、藤くんの唇を捉える。薄くて、熱い唇。私を誘うように薄く口を開くから、必死に舌を挿し込んだ。上顎をなぞって、歯に舌先を這わせる。舌を抜いて下唇に吸い付くと中の指がご褒美とばかりにはやく動く。
「だめ…っ…また、…っ」
ぐちゅぐちゅと膣から上がる音が卑猥さを増すとぱちんと景色が弾けた。仰け反った私の首に噛みつくのはもう彼の癖だ。