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サイレントエモーショナルサマー
第35章 astuto
下肢の震えと荒い呼吸がいくらか治まると、中に入ったまま大人しくしていた指がまた快感を引きずり出そうと動き始める。
「藤くん…まってってば、あっあっ、きもちっ…」
彼の身体を押してもほくそ笑んだ藤くんは悪戯に私の顔中にキスをして指の動きを止めない。いやいやとかぶりを振るが、彼の笑みを深くするだけだった。
「気持ち良い?」
「んっんっ…うん…っ…」
いいところを擦られて、押されて。何度も何度も上り詰める。一緒が良い。独りで何度も達するだけじゃ満たされない。
「あァっ…またイク…っ…藤くん…っ…」
甘い毒に溺れながら何度目か分からない絶頂を迎える。もうむり、と息も絶え絶えに言うとゆるりと指が引き抜かれた。腹の内側から込みあげる熱で身体が焼けそうだ。
ぐったりする私の額にキスをして、引き出しを開ける。うつろう視線でゴムを装着していく藤くんを見ていると彼はころんと私の身体を転がしてうつ伏せにさせた。
「ひくひくしてる。欲しいですか?」
欲しいに決まってる。こくこくと頷くと背中にキスをして尻を掴む。左右に押し広げられ、引かれた膣口から、くちゅっと音がする。
「膝、立てて。お尻あげてください」
枕にしがみつきながらなんとか膝を立て、尻をあげた。先端が宛がわれただけでふるりと身体が震える。本当は正面から抱き締めて欲しいけれど、藤くんが望むなら体位なんかなんだって良かった。
「んあっ…あっあっ…奥…」
ぬぷりと硬いモノが中へ入ってくる。ふ、と息をつくと一気に奥まで押し込まれた。藤くんの肌が私の尻を叩いてばちんと音が鳴る。
抱き締めた枕から藤くんの匂いがする。抜き差しの度に甲高い嬌声が口から漏れていくがそれは顔を押し付けた枕に吸い込まれていった。
パンパンと音を立てて腰を打ち付けながら藤くんは結合部に手を回してクリトリスをきゅっと抓った。膝が滑って崩れ落ちそうになると、頑張って、と甘く制す。