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雨に滲む心
第5章 忠犬という名の負け犬




いかなる状況だろうと

好きな女には誠実に

爽やかな笑顔と親しみやすさで

それが俺のポリシー



何年も忠実に守り続けた信念は

あいつにとって俺を

ただの同僚から

信頼できる仲間に格上げさせた

それ以上の昇進はない



でも俺には自信があった

俺こそが理解者だと

あいつが過去に負った心の傷は

俺にしか癒せないのだと



俺を顎で使って

毒を吐いて

女の弱さを必死に隠しているけど

見え隠れする上品な色気が

かえって男心を刺激する



俺しか知らない

そんなあいつの横顔

きっと俺は

それを一番近くで見ていられる立場に

胡座をかいていたんだ



硬派な女の心をいとも簡単に奪ったのは

どこぞのバーテンダー

そんな軟派な奴に扱いきれる女じゃない

あいつは任せられない

そう思った



どんな奴か確かめたい

いけ好かない男だったら鼻で笑って

あんなのやめて俺にしとけって

今度こそ本気でそう言ってやろうって



蓋を開けてみたら

軟派野郎の正体は優しい大人紳士

かたやお節介な後輩ワンコ野郎

勝負は目に見えていた

完敗だ



やっぱり俺はあいつの忠犬ハチ公

それでいい

それであいつのそばにいられるなら

喜んで尻尾を振ろう



そうさ俺は

忠犬という名の負け犬





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