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飼っていたペットに飼われています。
第15章 愛玩動物(スイ目線)
 ようやく声も戻り、歩けるようになったサキが大学に行くというので、俺も久しぶりにバイト先に向かう。バンドのない日はライブハウスで働いていた。
 大学から戻るであろう時間、サキのアパートに向かうと車の前でサキと侑斗が揉めている。真面目なサキと3日も連絡が取れず心配になってやってきたようだった。

「もうダメだ。家に帰ろう!」
「待って、いまはまだ…。本当に何でもないから…。」
「何でもないって…、そんなケガまでして、喉も痛めてるみたいだし誰を庇ってるんだよ!」
「………。」
「話は後で聞く。部屋の荷物も全部後で俺が取りに来るから。とにかく乗って。」
 強引にサキをの手を取り助手席に乗るよう促す姿を見た途端、思わず侑斗の腕を掴んでいた。

 サキがあっ、と声を上げる。
「…どなたですか?」
 侑斗が訝しげに手を払う。
「俺は…、」
 その後が続けられない。
「サキとどういう関係ですか?」
「………。」
 答えられるわけがなかった。

「もしかして、サキのケガに関わってます? 俺は彼女の婚約者です。もうサキに関わらないでください。」
 そういって助手席にサキを押し込んで立ち去ろうとする侑斗を見てカッとなった。
 婚約? ふざけんな。
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