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飼っていたペットに飼われています。
第15章 愛玩動物(スイ目線)
「俺はーーー、サキの飼い主です。」
 ヘラヘラ笑いながら言い放つ俺に侑斗が掴みかかる。
「は? どういう意味?」
「だから、そのままの意味だよ。サキは俺の愛玩動物。その手のケガもちょっとした躾で出来ただけ。ご主人様が可愛がってやろうっていうのに泣いて暴れるから縛ってやったの。」
 侑斗の手に力が入る。
「おい…、笑えない冗談はやめろ。」
「冗談? ああ、そういえばこのコ今時処女でビックリしちゃったよ、婚約者さん。3日間痛くて歩けなかったから世話すんの大変で…。」

 ーーバキッ!

 侑斗の拳を黙って頬で受けて続ける。
「まあでも最後は声が枯れるまで気持ち良さそうに喘いでさ…。」
「お前…!」
「やめて…っ!」
 再度拳を振り上げようとした侑斗の手にサキがしがみつく。
「サキ、こんなヤツの言うこと全部嘘だよな?」
「……ごめん…なさい。」
 真っ青なサキの顔を見た侑斗は何かを悟ったようだった。
「まさか無理矢理こいつに…っ!」

 はぁ〜っ、とわざとらしくため息をつきながらサキに声をかける。
「なぁ、サキ。こんなに面倒くさいやついるなら俺2度とお前に会うのやめるけどどうする? もう一生顔も見せないけど。」
「…やだっ!」
 反射的に叫ぶサキを愕然とした表情で侑斗が見つめる。
「サキ…なんで…。」
 ハッとした顔のサキを助手席から降ろして自分の隣に引き寄せる。
「まあ、そういうことなんで。俺のペット引き取らせてもらいますね。では。」

 ふらつくサキを引きずるようにしながら部屋まで連れていき、立ち尽くす侑斗を残して扉をガチャリと閉めた。



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