この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
飼っていたペットに飼われています。
第16章 主従逆転(サキ目線)
「アイツはお前の何?」
 靴を脱ぐ間も与えられず、玄関でじっと目を見ながら静かにそう聞かれる。
 この数日間、あんなに優しくて大好きだったスイの目が怖くて思わず逸らしてしまう。
「侑斗くんは…、大切な家族で…大事な人だよ…。」
「結婚するの?」 
「大学出たら、多分…。」
「へぇ…。」

 沈黙が怖い。
 今度は私が震える声で聞く。
「スイ…、なんであんな酷い嘘言ったの…?」
「嘘じゃないよ。」
「え?」
 目線をあげてスイを見ると、あの夜と同じ目をしていた。ギラギラして、熱っぽい…獲物を前にした捕食者の目。

 本能が逃げろと警告して、慌ててまた視線を逸らそうとするサキを逃さないとばかりに体をグイっと寄せていくスイ。
 背をドアに押し付けるまで追い詰められてスイの肘と手が顔の真横に置かれた。この檻の中からは逃げられない。
「…わ、私はスイのことペットなんて思ったことない。」
「じゃあ何?」
「家族だよ…、そうでしょ?」
「ハッ…あの男と同じ? それなら俺は家族じゃない、ペットで充分だ。水槽に閉じ込めて、好きな時に可愛がって寂しさを紛らわす。でも所詮人間同士の絆には勝てない、か弱いペット。邪魔になったら捨てればいいしな?」
「違う…違うよ…。そんなのおかしい…。」
「ああ、俺ももうお前みたいな飼い主はうんざりだよ。家族ごっこには付き合えない。」
 そういってサキを腕の檻から解放してスイはドアノブに手をかける。
「やだ…、行かないで!」
 ギュッと背中にしがみついてスイを引き止める言葉を必死で探した。
「…ペットでいい。スイの愛玩動物でいいから…!」

「…ククッ…やっぱりお前は馬鹿だ。」
 振り返ったスイはこう続けた。
「じゃあ、まずご主人様の匂いと味を覚えないとな?」
/143ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ