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第4章 ココア




「奈美ちゃんが言ってた通り、凄っかった
ねっ、見てわかるでしょ」

「。。。凄いって叶和の声と波の音と暗闇だけ、微かに同居人の危ないから叶和に窓閉めようってのしかわからないけど」



久しぶりに奈美に呼び出され、スマホで撮った【夜の漆黒海道デンジャラスドライブ】の動画を叶和は自慢げに見せていた。



「でも、なんで同居人君と一緒?」

「弟に頼まれて迎えに来てくれた」

「ふーん、頼まれてね」

「嘘じゃないよ、弟のメールもあるからお見せしよう」

「イヤ、いらない」



そんな冗談を言いつつ、お互いの近況報告をする。



「ふーん、で叶和はどうしたいの」

「カレが好きな気持ちはあるけど、そればかりじゃね
先ずは、カレの気持ちを知りたい」

「聞けば?」

「聞きたいけど怖い」

「そう、じゃ当分悩んでりゃいいよ」

「投げやり」

「聞いといて悪いけど、所詮叶和のことは叶和が決めることだし、そう思うのは聞いて欲しいけど、答えが欲しいわけじゃないでしょ」

「ま、ね」

「それに私も聞いてもらってるし、人の不幸はって言うし」

「ひっでー」

「はは、人ってそんなもんじゃない、やっぱり自分が可愛いし、可哀想って思っててもその感情の裏でザマァなんて思ったりすることもあるしね」

「。。。確かに」

「でも、叶和が自分で決めたことには後悔してほしくないよ」

「うん、じゃもう少し悩む」

「ところで、話し変わってさ………」



急遽、話のネタがそちらに移り、奈美が叶和に呼び出されたのはこっちか!と悟った。





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