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第6章 ga ra su da ma




人工的な光に人差し指と親指に挟んだガラス玉を圭吾は翳す。

日の光に翳していたときはキラキラと日の光を反射して輝いていたモノが人工的な光を当てたその輝きは全く別のモノに見える。



自分の求めているモノはいつでも自分のもとには手に入らなかった。

物心がついた頃には、母はいつでも男に依存していた。

何度となく繰り返す、家族と言うなの他人。

幼い頃、母の喜ぶ顔が見たくてその家族から良い子と見られるように自分を演じていた。

何度めかの家族、圭吾が中学に上がったばかりの頃、圭吾は義姉に窄まれた。

少年から徐々に体つきも変わってきている時期、体つきも華奢で生まれつき整っていた圭吾は中性的で、その義姉に簡単に組み敷きられた。

無理矢理に高められる欲望に、最後は両親にバレたらどうなるかと、脅された。

と、言っても包み込まれ搾り上げられる感覚に、圭吾も囚われていた。

表面上、仲の良い姉弟をお互いに演じていた。

男に依存していた母のように、圭吾もまた母の望む幸せ、その家族に依存していた。

それまでにも前の家族だったときにも、最後まではいかないにしても、今ならわかるが、圭吾は良いように悪戯されていたことに、気付いていた。

未成年の圭吾にはなんの力もなかった。

その行為自体は気持ちが良かった。

その時だけ自分が必要とされてる気がした。

が、その家族言う名の偽りも、義姉の嫉妬による偽言で破綻した。

義父は世間体と娘の偽言とを信じて、母と圭吾を捨てた。
男に依存し過ぎていた、母は心を壊し今でもその専門の療養所にいる。

それが、圭吾が中学を卒業する時期。

圭吾が祖父の家に身を寄せたきっかけ。



人工的な光に照らされたガラス玉。

その透明なガラスに反射する光は、日の光に照らされている時よりも冷たい光を放っていた。






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