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コーストライン
第4章 ココア




「叶和、今日はありがとう
返事待ってる」



叶和の家の前で降ろし、奈美の車は走り去った。

玄関先の外灯が灯っている。

鞄から鍵を取り出すこともなく、ドアに手をかけ開く。



「ただいま」



玄関口で挨拶をして、内に入る。
内はひっそりとしていても、人の気配があり、叶和は安心をする。



「おかえり」



声がする方に顔を向けると、圭吾が自分の部屋から出てきた。



「ただいま、どうしたの」

「ちょっと休憩にコーヒー」

「あ、私ココアね」

「俺、コーヒーって言ってるんですけど」

「この間の蜂蜜入り、出来るまで着替えてくるね」



パタパタとスリッパを鳴らせて叶和は部屋に行き、服を部屋着に着替え、机の上に置いてあるメイクのクレンジングシートを取り、鏡の前で顔を拭き取りキッチンに向かった。



「出来た?」

「はい、どうぞ」



叶和の前にココア入りのマグカップを置き、圭吾は自分のコーヒーを入れる。



「あ、私先だった」

「勿論、俺のはインスタント入れてお湯を注ぐだけですからコーヒーからだとこの間みたく冷めてしまいます」

「だからこの間一気に飲み干せたんだ」

「ソコきますか」

「へ、」

「イヤ」



そんなやり取りをして、ココアを入れてくれたお礼にマグカップを洗う。



「じゃ、俺部屋に行きます」

「どうぞ、ココアごちそうさま」



マグカップを洗い水切りカゴに入れ、


圭吾君と行ったら楽しいかも


ふと、先程の夜景が叶和の脳裏に浮かんだ。




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