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第2章 裸体を絵描く不純なゲイ
 すると、Aが半分狂ったまま、半分正気に戻ってこう言う。

 「あははっ~♪をかしぃねぇ、をかしぃねぇ~♪」

 不気味に腹の底から笑い続けていたが、仕舞いには涙を流し始めた。
 すかさず俺は、Aの肩を掴んで引き寄せ、耳元でまた言う。

 「・・・・・・好きというより、尊敬、いや畏怖に近い女だ」

 すると、Aが俺を上目遣いに胸の辺りから眺め、こう泣き始める。

 「亮くん、亮くん、亮くん・・・・・・」

 俺はAの頬を、一発本気で平手打ちする。

 「・・・・・・亮くん!亮くん!亮くん!」

 その後に、思いっきりディープキスして、壁際まで引きずり込んで叩きつける。

 「・・・・・・はぁん、やめてっ」

 Aの身体中にこれでもかというくらいキスしまくって、仕舞いにまた叩きつける。

 「あぁん!・・・・・・うゎ~ん」

 それを何度も何度も繰り返し、最後にAを強く抱きしめた。

 「俺はおまえを56したくなるほど愛しかったんだ」
 
 二人は闇の低く浅い所まで穏やかに落ちていった。
 憎悪と尊敬と色々な何かがこの暗闇の教室の中で火花を散らせ消えてゆく。

ーー闇の原点に光が再びゆっくりと差し込む。

 Aと俺の間からカタルシスが抜けてゆくと同時に、罪責と恥辱のエントロピーで溢れていった。
 それは、ただの凹凸の「性交」を越えた、存在同士をぶつけ合った何かに違いなかった。
 いや、いうならばそれは「性愛」というものの裏の側面といった方が正しいに違いなかった。
 またそれは、「あはれ(無限)」を「今(零)」に持ってくるための「必要悪(きっかけ)」のような気がした。

※まず「暴虐とは快楽主義であり、必要悪であって、それは幸福であるための必要条件に過ぎない」のではないか。建前と本音の暮らしの中での息抜きの「をかし(快感)」に近く、そこに「あはれ(情愛)」無ければ、人心に非ずと。(勿論、このようなことを述べる文献はみたことはない)


◆翌朝

 朝日差し込む中で、ふたり背中を後ろで合わせて座り、ぽつりぽつりとこんな会話をする。
 
 「あんた、気持ち悪かったねぇ」(A)
 「ごめん、ありがとう」(俺)

 先日の昼に持ってきた、俺の抽象画が目の前のイーゼルから転げ落ちている。
 次の作品がまた描けるように、Aにその後、頭を垂れ許しを願った。(了)
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