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第4章 万年ジャージ姿の金髪女
◆夜の神社参拝は……

日も暮れてきた頃、Aと俺は初詣の準備に取り掛かった。Aはどこから持ってきたのか分からないが、新しいピューマの白色をしたジャージを上下揃えて、下は珍しい下駄を履いた。俺も上下黒のジャージと、下にはローファの革靴を履いて、夜の神社へ初詣に出掛けていた。
御手洗場で手口を清めた俺らはふたり、群青色をした空の下、黙ったままそのまま手をつなぎ本殿を目指す。
カタン・コトン、カタン・コトン……、とAの下駄の音が境内に静かに響いている。また俺の方は特に音を立てるわけでもなく、境内を揺らめく正月の灯篭の火をひとつ・ふたつ、みっつ・よっつ……と数えていた。

「知ってるか、A。夜の神社は危ないんだってよ」

「知ってるわよ。夜の神社は来ちゃいけないって、あの人も言っていたわ」

繋いでいた手をゆるく俺は解くと、明後日の方角を見ながらAに告げる。

「……。誰だっけ、あの人って?」

すると、Aが俯きながらこう答える。

「……。誰だったかしら、あの人って?」

そして、夜の神社の本殿の前に着く。ふたりそこで二拝、二拍、一拝。山門を出た後、後ろを振り返って二拝、二拍、一拝。

「なぁ、会えたのかな、あの人は?」

「ねぇ、どうでしょう、あの人は?」

その後、ゆっくりゆっくりと神社から歩いて自宅アパートに戻ると、玄関を入ってからすぐに、ふたりジャージを忙しく脱ぎ捨ててキスをし始めた。

「んっ、んんん……!」

「ふぅ、はぁ、はぁ……」

リビングの仏壇の中の釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)が俺とAを見守っている。
その後、俺はただただ見つめ、そしてAは俯きながらこう言った。

「夕くん、……ねぇ抱いて」

束の間の沈黙の後に、俺はこう言う。

「それ、女の方から言ったら駄目なんだよ」

すると、Aがこう言った。

「……ぷんぷん」

やっぱり駄目だ、こりゃと思って、そのままベッドにふたりでダイブした。(了)
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