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第14章 武井 沙織
祥悟くんの予想通り明日は休みなんだから泊まっていきなさいよ、と言われ、承諾すると乾杯しましょ、とシャンパンが出て来た。

私はお酒は弱いタチだけど、味もそんなに好きじゃない。
でも、そう思ってたのは美味しいお酒を飲んだことがなかったんだ、ということを最近知った。

ワインの良し悪しはよく分からないけど、甘口で飲みやすいでしょ、とお母さまが勧めて下さるワインは喉越しも良くて、美味しいと思えた。アルコールに弱いことに変わりはないから、呑みすぎ注意、ではあるけど。

乾杯して、ご飯をご馳走になり、休んで酔いが醒めてからお風呂を頂く。

夜は祥悟くんの部屋で一緒に寝ることになった。

セミダブルのベッドは、以前のまま。ていうか、祥悟くんの部屋はそのまま置いてある感じで、クローゼットの中身も新居に全部持って来たわけではないみたいだから、祥悟くんはいつでも手ぶらで実家に帰ってこれるんだろう。
うちの実家なんて狭いのもあるけど、私たち姉妹の部屋は、私たちがいた頃はなかった両親それぞれの個室になっているから、私は帰っても客間で寝起きしてるけど…ま、ゲストルームどころかワインセラーにホームシアターまで兼ね備えた、この大きなお家と、ごく一般的な建売住宅のウチの実家を比べる方がおかしいんだけど…
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