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第20章 北川 遙
「じゃ、こっちにしようか。」

樹さんの手がスルリとショーツの中に忍び込んでくる。

すぐに指が亀裂を撫でて、いいところを探り当てる。

「あ…」

声は出たけど、前みたいにすぐに潤ってこない。
樹さんの指が少し痛くて、目を閉じた。

「…やっぱ濡れねぇな…」

「…ごめん…」

「遙のせいじゃない。身体がまだ男を求めてねぇんだろ。でも、付き合わせてるのは俺だから。今から我慢はちとキツイからさ、コレ使ってイイ?」

樹さんが出してきたのは、ローションのボトル。

「そんなの、持ってたの?」

樹さんはコク、と頷いて、ボトルを逆さまにして、ローションを出そうとした。
ビュビュ、と音がして、空気が出た後、ドゥル、とローションが手のひらに落ちた。

ん?…最初に空気が出るって…結構使ってるってコトでは?
私とのエッチでローションなんか使わなかったよね?
いつ使うわけ?

「…中身…少なくないですか…」

「…うるさいな、突っ込むなよ…」

「だって…私じゃない誰かと使ってたならだいぶん古いか、じゃなきゃ浮気でしょ⁉︎」

「違う!独りで使う用だよ!」

「ひとり…?」


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