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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第1章 孤独な王子
だから、この国の人たちが歓んでくれるようなことをしたい―と考え出したのがこの似顔絵描きであった。もし研究者になりたいという道を選んでいなかったら、間違いなく自分は美術大学に進んでいたろうという自覚はある。絵を描くのは子どもの頃から好きだったし、高校時代は美術部にいて、顧問からも真剣に美大進学を勧められたほどだ。
「ありがとう」
若いカップルはどうやら自分たちの似顔絵の仕上がりに満足したようである。ほどなく仕上がった一枚の絵を見て嬉しげに瞳を輝かせて去っていった。
「ありがとう」
若いカップルはどうやら自分たちの似顔絵の仕上がりに満足したようである。ほどなく仕上がった一枚の絵を見て嬉しげに瞳を輝かせて去っていった。