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真愛~美女と野獣より・孤独な王子と黄色い薔薇の物語~
第1章 孤独な王子
「どうかしら?」


 トーマスは嬉しげにその紙を受け取った。


 そこには輝く金色の髪と深いサファイアの瞳を持つ凛々しい王子が描かれていた。だが、まるで自分であって自分でない男を見ているようだ。トーマスはまた頬がカッと熱くなった。


「ちょっと綺麗すぎやしないかな?」


「そんなことはないと思う。自分で言うのもおかしいけど、あなたによく似ているわ」

 少女が微笑んだ。

「ねえ、もう少し描き足しても良い?」


「ああ、それは構わないけど」


 彼女はトーマスから紙を受け取った。


「〝美女と野獣〟は紅い薔薇が出てくるでしょう。ベルと野獣の真実の愛を象徴する薔薇。あれをここに描こうと思って」

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