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キスをして
第7章 小塚の憂い
「だってこんな風になったことがないから分からないんです」

「だから俺が苦手?抱かせてくれるのに?自分から触れて欲しいと言えるのに?俺はセフレだなんて思ったことはないけど間宮さんは?」

「っそんな風に思ってなんか」

「言われたら誰にでも抱かれるわけじゃないでしょ?‥俺に抱かれたいと思ったのはどうして?」

首を傾げて私の顔を覗き込む。
訊かなきゃ良かった…。
この人と話すと逃げ場を無くしていく。

「見ないで下さい」

小塚さんが近くにいると緊張してしまう。普通に話せるようになったのに慣れた頃に距離を縮めてくる。
小塚さんの香りが近いほど息苦しくなって、自分の体じゃないみたいに熱くなっていく。
向けられる視線に頭がおかしくなりそう。
少しでも小塚さんの眼から逃げようと思うのに顔を背けることが精一杯で私の前髪を掻き上げる手に気付きもしない。

どうしてなんて分からない。付き合った男としかしたことないのに、どうして小塚さんとこんな関係になってしまったのか、流されたいと思ったのか考えても明確な答えが出てこない。

「間宮さんは感情より頭が動くんだね」

「知らないっ」

「じゃあ今知って‥違うならこんな事で悩まない」

髪に触れていた手が急に後頭部に移動したかと思えば、腰に回された手に引かれて仰向けに倒される。
私の立った膝を掴んで脚の間に割り入って覆い被さった小塚さんの苛立ちを含んだ見透かしたような視線に身体が動かない。

「今はやめて」

「どうして?」

「小塚さんは私を乱すから‥」

「乱れてよ。俺で乱れた間宮さんが見たい」
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