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キスをして
第14章 エピローグ
「間宮さんの時計を小塚さんに送ったのは俺ですけどね。ちゃんとお姉さんに確認して」

何故そこで勝ち誇った顔をするの。
すっかり黒沢さんと仲良くなっちゃって。昔は苦手だったのに。

「って言うか黒沢さん誠司に嘘ついてたでしょ!さっき思い出したわ!」

「何か言ったか?」

「結婚式の後私が先輩達と出たのに元カレとか言って!」

「いいじゃねぇか!面白かったろうが」

「黒沢さんは間宮さんに近付く男性全員が気に食わないんですか?」

「んな訳あるか。あの男のせいでどれだけ俺が振り回されたと」

「アンタがお人好しなだけじゃない」

「最後くらい優しくしろよ」

「春にはまた来るわよ」

「間宮!そろそろ出ないと間に合わないんじゃないのか」

「そうですね。そろそろ行きます」

「「荷物持てるか?」」

黒沢さんと橘さんが声を揃える。

「大丈夫ですよ。結構軽いんですよ?でもタクシーで行きます」

「送ってやろうか」

「絶対嫌。黒沢さん誠司に余計な事言うもの」

「あの固まり方は笑えた」

「酷い!じゃあ私行きますね」

「「「「お疲れ」」」」

「皆頑張ってくださいね」

大きなバッグとキャリーバッグを持ってエレベーターを降りる。

「仕事を辞めた時ですらこんな気分にならなかったのにな」

タクシーを通りで捕まえて目的地に向かった。

「ごめん!遅くなって!」

「大丈夫だよ。時間までまだある」

「事務所でケーキ食べてたら遅くなっちゃった。もう皆話長いんだもん。春には戻ってくるのに」

「心配なんだよ」

「自分は余裕そうにしてるけどわざわざスイスから迎えに来たのはダレ?」

「俺です。だってまだ安定期じゃないんだよ!?」

「つわりもまだだけどね」

「いいんだよ!はいチケット」

「ありがと···」

渡されたチケットを確認する。

「どうかした?」

「ううん。何でもない」

チケットの「KOZUKA RITSUKA」に未だ慣れていないのは暫く内緒だ。






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