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第42章 甘えん坊の真

楽しく美味しく食事を終えて、

ソファーで寛ぐ事にした。何を見る訳でもなく

ただテレビをつけて、無言で座っていた。

真の肩に頭をのせて、何となくボーッとしていたら、

彩香の目から一筋涙が溢れた。

真は、それを分かっていたけど、何も言わずに

抱き締めて、頭にひとつキスをした。

彩香は、よけい悲しくなって、

涙が止まらなくなった。あまりに泣き出したから

真が「彩香？お風呂入ろうか？」

彩香は、顔を上げずに頷いた。

「真？グスン寂しいよぉ～

うっ、うっ、うぇ～ん」

他人が聞いたら、たかが一晩一緒にいられないだけで

大層な話だと思うんだろうけど、

本人達は至って大真面目、本気で寂しがっていた。

二人にとっては、大変な出来事だった。