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僕は妹を 〜背徳のシミアト〜
第1章 ◆
 ぷっくりと丸みを帯びた頬。ギュッと中心に寄った眉の下で、つぶらな瞳が僕を見つめている。恐怖と哀願。それらに揺れながら、だ。
 その入り口に糸を張った半開きの口が、ついさっき電線に止まったばかりのカラスも飛び立たんほど甲高く、反抗の声を上げた。

「やだぁ! はな、離せってば! さわっ、ひ……っ、さわ……んな、へんん……っ!」

 リズミカルな愛撫に呼応して蝶のように開いた羽から、鮮やかな紅梅色が覗く。その上でピンと尖っている、足の小指ほどもない可愛らしい若芽。執拗に撫で回したせいか、塗りたくられた葛湯が未だ生え揃わない毛をまばらに張りつかせていた。
 こんなに可愛い顔をしておきながら、その実、女の象徴は生々しく、いやらしい。つい二ヶ月前に小学校を卒業したばかりのクソガキだと思っていたのだが、どうやら僕の思い違いだったようだ。
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