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あんなこんなエロ短編集
第31章 わたしは女優
ーーーー「よくやったね!



やっぱり篠さんは素晴らしいね。演技が板について



きた」監督が言う。




「…………………………ぷっ。そっくり!!」




「だろ?あの朴念仁、『OK』『素晴らしい』『板につ




いてきた』




しか語彙が無いからね」




美華は笑いながら、




佐竹信永の胸に凭れた。




衣服を纏わぬだけで何故こんなに身近に感じるのだ




ろう。




皮膚すら邪魔に思う。




皮を剥いで内臓になり液体ごと一つに溶けたい。





「本当に。まあ、お陰でやり易かったけど」




「まぁね。本通りやってればあいつはOK出すんだから




。下手な役者にもさ」





「あっ、何それ。私も下手ってこと?」




美華は得意の意地悪そうな、小悪魔めいた瞳を作り




佐竹を見る。



抱きついてキスをした。




唾液が糸を引くようなねっとり濃いキス。




互いが混ざり合ったのにまた足りなく感じ、



始まる。




佐竹との逢瀬はいつもそうだ。




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