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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第40章 説得
(あの二人、知り合いだったの?)

何の話をするのか大体の予想はついている。

亮輔が自分の事を話したに違いないと思っていたからだ。

「聞いたよ亮輔から」

(やっぱり…)

しかし鴨志田は、あくまでも冷静を装い、義務的に達也の前に膝まづいて、ベルトを外そうとした。

「いや、今日はいいよ。ちょっといい話をもってきたんだ」

達也は鴨志田の手を払い、彼女を目を見て話を切り出した。

「オレに協力してくれないかな?」

「…何の協力でしょうか?」

怪訝そうな顔をして鴨志田は達也の顔を見上げた。

「そんなとこに座ってないで、ここに座ればいいじゃん」

達也は自分の隣に座るように促した。

「言いたい事は解ってるわ、聞いたんでしょ、彼からアタシの事を」

義務的な態度から一変して、バッグからメンソールのタバコを取り出し、足を組ながら白い煙を吐いた。

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