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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第40章 説得
「確かに…あの女は憎いわ!でもね、どうやって乗っ取るというの?それにアタシは一生この世界から足を洗う事ができないの!常に監視されながらソープ嬢として生きていくしかないのよ!それをどう協力しろと言うの?」

達也は待ってましたと言わんばかりの顔をして鴨志田に問い掛けた。

「アンタ、その借金って今いくら残ってるんだ?」

「もう解らないわよ!利息がどんどん膨れてこの店に売られたんだから!」

「じゃあ、こうしよう。アンタの借金が今いくら残ってるのか確認して欲しい」

「そんな事聞いてどうすんのよ!」

確かにいくら残っているのかは鴨志田自身も解らない。
だが、この世界から抜け出せるものなら抜け出したい。

「もし、オレがアンタの借金全額肩代わりしたらオレに協力してくれないか?」

「はっ、バカバカしい!未成年の大学生がそんなお金あるわけないでしょ!」

達也は鴨志田の両肩をガシッと掴んでじっと眼を見つめた。

「オレは今、母親の下で会社の後継ぎとして色々と仕事のノウハウを吸収している最中だ。オレが大学卒業と同時に、本格的にオフクロの右腕になるよう、今から各方面の関係者に顔を知ってもらってるところだ。それとな、アンタが亮輔と住んでいたマンションはオフクロが売っ払った。おまけに部屋にあったアンタのブランド品は亮輔が全てネットオークションで全部売り払った。これはウソじゃない、全部ホントの事だ!」

真剣な眼差しで鴨志田を見つめ、達也は説得した。

鴨志田は部屋に残っていたブランド品が全て亮輔によって売られていた事も知り、愕然とした。

達也は急に思い出したかのように周囲をキョロキョロし始めた。

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