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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第44章 本当の出生の真相
納得いかないのは達也だ。
何故そんなことまでして重要なポストに就きたかったんだ、オヤジは?
何故、幼いオレがいながら社長の愛人をしていたんだ、オフクロは?

達也の中で更に憎悪が増し、母親の会社を乗っ取り、その後は母親を完全にこの世から消す!

今の達也にはその事しか頭になかった。

「まぁ、これも因縁なのかな、鴨志田は随分前に死んだが、娘はヤツの僅かな財産しか手に入らず、またホステスしながらバイトして大学を卒業したみたいだな。まぁ、しかし、ろくでもねぇとこは鴨志田にそっくりだな、その女も。で、もう一度聞くが、そんな女でもソープから足を洗わせたいってんだな?」

念をおすように弁護士は達也に再度聞いた。

(家の中をグチャグチャにしたのは鴨志田でもない、オヤジやオフクロが好き勝手な事してオレはその犠牲者だ)

達也の目の色が変わった。

「ほぅ、いい目付きになったな」

ククッと笑いながら弁護士は達也の野心に道溢れた目を見て葉巻を吹かしていた。

「是非お願いします!あの女をソープから救ってください!金額はすぐにでも用意します!」

達也は席を立とうとした。

「待ちな、まだ終わっちゃいねえよ」

弁護士に言われ、再び席に座った。

「この仕事は引き受けよう。だがな、これはオレのお節介かもしれんが、あの女救ってもろくな事にならないぞ、それでもいいんだな?」

再度鋭い眼光で達也を最終確認する為に弁護士は問うた。

「はい、それでも構いません。
あの女を釈放しない限り、オフクロの会社を乗っ取るなんて事はできません。ですからどうか…お願いします!」

達也は深々と頭を下げた。

「それともう1つ、お前さんはオフクロの会社を乗っ取るなんて事はできっこない」

達也は一瞬、険しい表情をした。

「どういう意味ですか?」

「お前さん、野心が強すぎる。
会社を乗っ取る事は容易いかもしれない。だがな、その会社をどう運営していくかだ。お前さんにそれが出来るのか?」

「それは…やってみなきゃ解らないじゃないですか」

「お前さんのようなタイプは独占欲が強すぎる。会社を破滅させるような人間だ。いいか、もし会社を経営したいのなら、もっとしっかりしたブレーンが必要だ。まぁ、余計なお節介だがな」

確かにオレは独占欲が強い。
でもやってみなきゃわかんないだろ!
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