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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第45章 依頼

「1つだけお聞きしたいのですが…」

達也は高慢な態度の弁護士に腹が立ちながらも、聞いてみたい事があった。

「ん、何だ?」

「先生のお名前を教えてもらいたいのですが…」

この弁護士は事務所に看板も掲げてなければ、入り口に表札すらない。

しかも会った時から一切名を名乗らない。
いくらヤクザ相手で危ない橋を何度も渡ってきたとしても、名前ぐらいは教えてくれてもいいじゃないか、達也はそう思い、聞いてみた。

「名前?何でオレの名前が必要なんだ。オレはお前から金を受け取った。後はもうお前とは会う事はないだろう。だから名乗る必要もない」

相手にならないとばかりに弁護士はぶっきらぼうな口調で名前を教えてくれない。

「いや、あのもしまた依頼する機会があれば、と思って聞いたんですが…」
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