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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第56章 信用できねえのか!
これで架空のスケジュールを作成するの?
とにかく鴨志田は目の前の資料を見ながら、スケジュール作成に取りかかった。

「じゃあ、オレは今からあの男の素性を調べに行ってくる」

「アタシは行かなくていいの?」

「だから、さっさとスケジュール作りゃいいんだよ、わかったか!」

日に日に達也の態度が傲慢になっていった。

鴨志田はただ言われるがままにスケジュールを作成した。

達也は会社を出て、タクシーを拾い、以前に調査を依頼した興信所へと向かった。

達也が鴨志田に言ってた人物、つまり奥の部屋にいた男は1番偉い人間でも何でもなかった。

ただテキトーに言っただけだ。
だが、窓口で対応した男より地位は上のはずだ。

鴨志田を上手くコントロールする為にデタラメを言っただけにすぎなかった。
洞察力や判断力を誇張する為に、敢えてそう言い切ったのだった。

興信所のあるビルに着き、達也は前回、あの胡散臭い弁護士を調べてくれた、スキンヘッドの強面の男に依頼した。

「この不動産の店舗で1番偉い人物の素性を知りたい。で、そこから更に上の地位の人物、統括の部長クラス辺りの人物の素性まで解ればいいんだが、頼めるかな?勿論、報酬はこの前と一緒で、倍の金を払う。で、期間は2,3日の間でお願いしたい」

達也は手付金として、100万入った封筒をスキンヘッドの男に手渡した。

「了解しました。多分、この感じだとその期間までには十分調べられますので」

男は封筒の中身を見て、札を数えていた。

「じゃ、何か進展があったら連絡して欲しい。前みたいにメールで構わないから」

用件を伝え、達也は事務所を後にした。

(しかし、社長になったのはいいが、かなりの出費だな…)

思惑通りに会社を乗っ取り、社長の座を射止めた達也だが、まだ何か物足りない。

色々な事を考えながら、繁華街まで来てしまった。

ここも随分と夜の店が多いもんだ。

そして、達也が何かを閃いた。

(アイツの処遇はこれで決まった)

達也は会社には戻らず、今日はこのまま直帰すると鴨志田に連絡し、繁華街の中へと消えていった。
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