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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第57章 二億で買い取ってもらおう

達也は指を2本立てた。

「えっ、2本て…?」

「ズバリ、2億です。2億で買い取ってもらえませんかね?」

かなり法外な額だ。

普通に考えてみても、見積書に記載された7千万が妥当だ。

しかし、達也は強気に約3倍の値段で買い取ってもらおう、それでこの件は終わりにしましょうと吉村に条件を出した。

「2億なんて、いくらなんでも…」

「吉村さん、貴方は統括だ。そのぐらいどうとでもなるでしょう?ダメなら告訴致しますので」

ヤクザよりタチが悪い存在だ、だが、要求を飲まなきゃ告訴されてしまう。

たった一夜の過ちがこんなにも大きな代償と引き換えになるとは。

「…わ、わかりました。2億で買い取ります。ですからこの件は…」

「わかってます、ただ2億を用意してもらわないと、私共は告訴に踏み切るので、それをお忘れなく」

達也と弁護士は席を立ち、応接室を出た。


本社を出て、達也は弁護士に礼を言った。

「今日はありがとうございました。弁護士がいるというだけで、あの男かなり狼狽えてましたね」

「ふん、こんな簡単な事、お前さん1人でも出来ただろうに」

ぶっきらぼうに弁護士は答えた。

「いえ、先生がいてくれたお陰であの言い値で買い取ってもらう事が出来ました」

「じゃ、金が出来たらオレんとこに持ってこいよ」

「わかってます。必ずお渡ししますので」

達也は深々とお辞儀をして、弁護士と別れた。

数日後には2億という大金が手に入る。

さぁて、この2億をどうやって活かそうか、達也は頭の中で色々と考えながら、歩いて駅まで向かった。
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