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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第69章 再建
「私はその弟を何度か見たことはありますが、あの愚か者の事とはくらべものにならない程、真面目な子です」

「そうか。しかしバカな兄を持つと弟は苦労するだろな」

「そうです。まだあの年でこの前まで色んなビジネスホテルを渡り歩き、ようやく住む所を見つけた矢先ですからね」

弁護士が葉巻を咥え、少し考えた。

「遺骨はその弟に預けるのかい?」

「さぁ、遺骨にしようとも、あれだけ派手に身体がバラバラになったぐらいですからね。
でも、戸籍上は兄弟ですから遺骨が見つかれば、弟に返すしかないでしょう」

「それまでの葬儀代は会社でもってやれ。オレは真面目に働いてる人間には一切手を出さない」

「成る程、解りました」

そして弁護士は達也の始末を任せれた者たちに連絡をとり、
その場を立ち去るよう告げた。

やがて車は弁護士の住む、事務所へ着いた。

「それじゃ元気でな。アンタなら上手く会社を立て直せる」

「今までありがとうございました。先生もお元気で」

車はまた発進した。

最大の邪魔者の始末を終え、沢渡は会社に向かった。
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