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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第24章 本当の出生
結果、父親と母親は離婚、兄は父親が引き取り、鴨志田は慰謝料を貰い、オレを生んだ。
しかし、大学生だった鴨志田は子供を育てる事は出来ずに、母親の下を訪れ、育てて欲しいと願った。母親としては、何で血の繋がりもないオレを育てなきゃならないんだと激怒したが、
常務で鴨志田という男と社長が母親を説得し、援助を受けるという形でオレを育てた。
そしてその鴨志田という常務はオレを生んだ広瀬紗栄子を養子縁組という名目で愛人をするという関係になり、広瀬から鴨志田に姓を変えた。

その常務も程なくして亡くなり、養子縁組をしていた鴨志田はその財産の一部を受け取り、ホスト通い等で散財し、浪費癖が抜けないまま現在に至るというわけだ。

そして母親は社長を退き会長になった男の遺産を受け継いだと聞かされたが、それは真っ赤なウソで、兄の達也を父親に取られ、女手一つでオレを養うために、夜の仕事をして、時には身体を売って生活をしてきた。

幼い頃、母親が取っ替え引っ替え男を連れ込んできたのは、身体を売って金を稼いだという事らしい。そしてパトロンを見つけ、オンボロアパートから立派なマンションに引っ越すようになり、夜の店の資金まで出してもらえるようになった。

これがオレの出生の秘密だったというワケらしい。

今まで父親に聞かされてきた事とは真逆の事で、どれかホントでどれがウソなのか今のオレには見分けがつかない。

だが、鴨志田の表情と母親の見下ろす憎しみに満ちた顔を見ると、とてもウソをついているようには見えなかった。

そしてオレはそんなことも知らずに高校に入学し、鴨志田が担任になり、程なくして父親が出張先で強盗に遭い、射殺された。

それを聞いた鴨志田はショックで倒れた。オレはその時、鴨志田を介抱したからだ。

鴨志田はまさか自分が生んだ息子の担任になるなんて思ってもいなかったのだろう。

おまけに父親が亡くなり、オレはバイトをしないと生活出来なくなり、学校を休みがちになり、それを見かねた鴨志田が一緒に暮らそうと提案した。

ここでようやくオレは、鴨志田が何故オレに近づいたのか理解が出来た。



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