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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第27章 独り立ち
母親は一応オレのこの先の事を心配してくれて言ってるのだろうかわからないが、オレは高校を辞めて独立しようと考えていた。

「亮輔、あなた、ワタシの仕事の後を継がない?」

母親は夜の商売人でパトロンから得た資金で店を経営するようになり、元々商才もあるせいか、今では都内に何店舗もの店をもつ経営者として成功している。
店といっても、キャバクラのような店舗で、かなり高級な店と言われて、女性達の容姿や接客態度もかなり優秀だと評判だ。

「オレはまだ15だ。夜の仕事なんて出来るわけないだろ。とにかく今はバイトだけでは学費も払えないし、食費だってバカにならない。学校に行っても相変わらずつまんねえ毎日でそんな事してるより、働いて独立したいんだよ」

オレは母親に肚の中に思っている事をぶちまけた。

「わかったわ。あのマンションが売れるようにしてあげるわ。でもあなたはこの先どこに住むつもり?」

「そんな事までは考えてない。ただもうあのマンションはオレには必要ない。先生もあれ以来帰ってこないし、いっそ売っ払ってくれた方がいい」

そうすれば、いつまた鴨志田が現れるかわからないし、そんな所は無くしてしまおうと思っただけだ。

「そう、あの女はもうあの家には帰ってないの…亮輔、あなたしばらくここにいたらどうかしら?」

それはもっとイヤだ。だがイヤと言わずに上手く、やんわりと断る理由を考えていた。

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