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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第183章 シリアルキラー達也
ソンヒョクは身構えた、達也の構えた銃口より、指先、腕や肩の動きで引き金を引く瞬間を瞬時に見分けられる事が出来る。

「死ぬ前に1つだけ聞きたいんだけどよ、アンタ、イルボンの先生殺したって言ったけど…何で殺した?」

達也は銃口を向けたままソンヒョクに殺しのスキルを伝授したイルボンのソンセンを何故殺したのか、ソンヒョクはその事については一切語らなかった。

「聞いてどうする」

「だって聞かないで殺したら後で後悔するじゃん?だから今聞きたいんだよ」

ソンヒョクは重い口を開いた。

「ソンセンは…オレの親を殺した。密入国者として、オレの両親はこのコリアンタウンに来た…だが、ソンセンは日本のヤクザに雇われた殺し屋だ…日本のヤクザはこのコリアンタウンを牛耳ろうとした。
だが、オレの両親をはじめとする同胞達はそれに反対した。
ここに住んでる同胞達のほとんどは在日のコリアンマフィアだ。イルボンの来る所じゃない、帰れ、と。だが、ヤクザはこの場所がどうしても欲しかった…ここでカジノや麻薬の密売等行うにはピッタリの場所だという事らしい…
そして反対していた同胞の何人かは見せしめの為に殺された…その中にオレの両親もいた。
だが、結局はヤクザはこの場所を諦めた。同胞達のマフィアがヤクザの事務所に殴り込みに行って組長と若頭を仕留めた。
以来、ここはイルボンの立ち入りが出来ない場所となって今も同胞達だけの街となっている。
そしてマフィアから、お前の親を殺したあのイルボンを始末しろ、と言われた。オレにしてみりゃソンセンだし、親を殺した仇でもある。だが、同胞達の意見には逆らえない…だからこのリングで正々堂々と相手の息の根が止まるまで闘いをしようと…」

ソンヒョクにとって、イルボンのソンセンは恩師であり、仇でもあった。
なのに何故、このコリアンタウンに来てソンヒョクに殺しのスキルを伝授したのだろうか。

「で、そのソンセンは目の敵にされてるのにここに来てアンタに殺し技教えたのか…何しにここへ来たんだ?」

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