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第7章 男の娘(おとこのこ) ―倒錯、或いは迷走―
「…なわけないだろ!ただ…あいつ事務所に行くって言ってたから、俺のせいで不味いことにならなきゃいいけどな…って考えただけで。それに、何も言わずに帰るのも何だし…」
「とか何とか言って、トモちゃんもっと素直になったら?遠慮しなくても良いんだから」
「…な、なにが!どうして何を遠慮しなきゃいけないんだよ!」
亨の目が笑っている。それこそ、俺の心を見透かすような曇りのない笑顔。知りたくない自分の心に向き合うことを迫られて、俺は息が苦しくなった。
そんなわけない…
俺が男に牽かれるなんて…
それもあんなスケベな耿輔に…
なわけが…
なのに、こんなに心が波立つのは何故。