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私と貴方の甘い蜜
第3章 一夜限りの
「……はっ!朝!?」
目が覚めてあわてて飛び起きた。
「真夜中ですよ、お嬢さん」
里城さんがこちらを見て笑っていた。
「私、寝てました?」
「うん。イッた後さ、全然動かないからびっくりした。よく見たらすやすや眠ってたからさ。20分位だけど」
ぼんやりとした頭で数時間の出来事を振り返る。
私にとっては妄想でしか起こり得ないと思っていたことが、易々と叶ってしまった。
「ヤッた後に言うのもずるいけどさ、こういう事する時は自分の家じゃなくてホテルとかがいいんじゃない?ストーカーとかになったらどうすんの」
確かに。
普段なら男性に対しては「騙されるんじゃないか」とビクビクしてしまう性格なのに、里城さんに対しては全く警戒しなかった。
「あと、寝てる間にお金とか取られたり裸の写真とか撮られたらどうすんの。」
それに関しては眠りについた記憶がないのだからどうしようもない。
そもそも終わった後にすぐ寝てしまうような経験なんかなかったし。
「おい、聞いてんのか」
むにっ
「きゃあ!!触らないでくださいよ!」
「は?今までヤッてきたこと思い出してもそれ言えんのか」
里城さんに胸を鷲掴みされて、今更ながら自分が全裸なことを思い出して、慌ててベッドにうつぶせになる。
「……恥ずかしい」
「はははっ。今さらだなぁ。てか、人が真剣に注意してんのに呆けた顔して返事しないのが悪い」
楽しそうに笑いながら、里城さんが私の髪を撫でる。
体が繋がっていた時とは別の気持ちよさと何故か深い安心感を抱いた。
「ありがとうございました」
「ん?なんのお礼?そんなに気持ちよかった?」
「……それもありますけど」
「はははっ。あんのかい」
「私のワガママに付き合っていただいた事とか、注意してくれた事とか……」
「ああ。まぁ、俺も楽しかったし。良い経験になったならいいんじゃない。
じゃあ、シャワー借りたら帰ろうかな」
「えっ」
「ん?なに?」
「いえ……。お風呂は部屋を出て左です。タオル出しときますね」
「うん。ありがとう」
当たり前のように朝まで一緒だと思っていた自分が恥ずかしい。
そうだ。私達は「一夜限り」で、「明日」なんてものはないのだ。
結局連絡先も聞けないまま、里城さんは最後に優しく笑って帰っていった。
目が覚めてあわてて飛び起きた。
「真夜中ですよ、お嬢さん」
里城さんがこちらを見て笑っていた。
「私、寝てました?」
「うん。イッた後さ、全然動かないからびっくりした。よく見たらすやすや眠ってたからさ。20分位だけど」
ぼんやりとした頭で数時間の出来事を振り返る。
私にとっては妄想でしか起こり得ないと思っていたことが、易々と叶ってしまった。
「ヤッた後に言うのもずるいけどさ、こういう事する時は自分の家じゃなくてホテルとかがいいんじゃない?ストーカーとかになったらどうすんの」
確かに。
普段なら男性に対しては「騙されるんじゃないか」とビクビクしてしまう性格なのに、里城さんに対しては全く警戒しなかった。
「あと、寝てる間にお金とか取られたり裸の写真とか撮られたらどうすんの。」
それに関しては眠りについた記憶がないのだからどうしようもない。
そもそも終わった後にすぐ寝てしまうような経験なんかなかったし。
「おい、聞いてんのか」
むにっ
「きゃあ!!触らないでくださいよ!」
「は?今までヤッてきたこと思い出してもそれ言えんのか」
里城さんに胸を鷲掴みされて、今更ながら自分が全裸なことを思い出して、慌ててベッドにうつぶせになる。
「……恥ずかしい」
「はははっ。今さらだなぁ。てか、人が真剣に注意してんのに呆けた顔して返事しないのが悪い」
楽しそうに笑いながら、里城さんが私の髪を撫でる。
体が繋がっていた時とは別の気持ちよさと何故か深い安心感を抱いた。
「ありがとうございました」
「ん?なんのお礼?そんなに気持ちよかった?」
「……それもありますけど」
「はははっ。あんのかい」
「私のワガママに付き合っていただいた事とか、注意してくれた事とか……」
「ああ。まぁ、俺も楽しかったし。良い経験になったならいいんじゃない。
じゃあ、シャワー借りたら帰ろうかな」
「えっ」
「ん?なに?」
「いえ……。お風呂は部屋を出て左です。タオル出しときますね」
「うん。ありがとう」
当たり前のように朝まで一緒だと思っていた自分が恥ずかしい。
そうだ。私達は「一夜限り」で、「明日」なんてものはないのだ。
結局連絡先も聞けないまま、里城さんは最後に優しく笑って帰っていった。