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私と貴方の甘い蜜
第7章 嫉妬それぞれ
里城さんの家に泊まってから1ヶ月が経った。
あれから里城さんとは会っていない。
連絡先も交換しているし、ご飯に誘う位なら出来そうな間柄になってる気がする。

が、会えないのだ。物理的に。

「三咲ちゃん……資料出来たけどそっちは?」
「すみません、あと5分くらいでデータ入力終わりそうです」

時計を見ると22時。
長谷川さんと残業コースが続いている。

7月に入ってから、年に2回の繁忙期に入った。
大きな展示会があり、そこでの売り上げは会社の年間のかなりの割合を占める利益になる。
利益が上がるということは処理すべき仕事も増えるわけだ。

「斎藤さんの退職は予想外だったよね。」
「まぁ、旦那さんの転勤なら仕方ないですよ。栄転らしいですし」
「そうだね。大和さんの妊娠もおめでたいことだしね。」
「そうです。またまたおめでたいことが繁忙期にやって来ただけです。頑張りましょう」

キーボードを打ち、電卓を叩きながら会話をする。
6人いた女子社員の内、2人がこの時期に辞めたのは予定外で補充も出来ずに今に至る。
後の2人の女子社員は既婚者のベテラン組で経理を主にしていて、定時上がりが基本だ。
手伝おうか?と言ってくれるがさすがに主婦にお願いは出来ないので長谷川さんと2人で乗りきっている。

「あー!つかれた!このへんで切り上げてご飯食べて帰ろっか。なに食べたい?」
「ラーメン1択です」
「まじ?太るよ?」
「ラーメンと半チャーハンと餃子です」
「あははっ。その心意気やよし。付き合おうじゃないか、三咲ちゃん」

仕事疲れで謎のテンションになりながら、私たちはフラフラしながら着替えてラーメン屋さんに向かった。
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